フロンガスは、エアコン、冷蔵庫など身の回りの様々な用途に活用されてきました。
しかし、1980年代以降、フロンガスがオゾン層を破壊することが分かり、最初のフロンガスである特定フロン(CFC、HCFC)は国際規制(モントリオール議定書)で全廃が決定されました。
その後、特定フロンを代替するために使用されたのが代替フロン(HFC)です。
ところが、代替フロンは、オゾン層を破壊しないものの温室効果が非常に高いことが分かりました。
そのため、代替フロンは温室効果ガスとして排出削減対象となり、環境省も大気中への排出を厳しく監視する規制を設けています。
フロン回収・破壊法(2001年6月22日施行)(特定製品に係わるフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律)において、業務用冷凍空調機器の整備時・廃棄時のフロン類の回収、回収されたフロン類の破壊等を推進することが定められました。
しかし、その後もフロンの回収は進んでいなかったため、フロン排出抑制法(2015年6月12日施行)(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)さらには、改正フロン排出抑制法の改正(2020年4月1日施行)が施行されることにより、罰則規定など規制の強化が進んでいます。
既存の業務用冷蔵設備、エアコン設備の冷媒(フロンガス)を自然冷媒(4H)へと置き換える工事を行います。
これは環境保護と経済効果の両立を実現します。
コンプレッサーの圧力負荷が低くなるため、省電力の稼働が可能となります。
先に述べた通り、「自然冷媒ガス」は、既存の「代替フロン」より比重が軽いためコンプレッサーへの負荷が軽くなります。
そのため、空調設備の耐用期間の延長が期待できます。
使用中の空調機の冷媒ガスを「自然冷媒ガス」に入れ替えるだけですので、大幅な設備投資が不要です。
平成25年4月施行の改正フロン法により、フロン類冷媒の空調、冷凍機器の定期的管理、漏洩管理が義務化されました。
しかし、自然冷媒(4H)への代替により、法定点検の義務が不要と なり、点検コストの削減が可能です。
企業成長においてESG経営(環境、社会、企業統治)が必要不可欠とされ、環境に配慮しない企業からは投資を引き上げる動きが強まりつつあります。
オゾン層破壊係数ゼロ、地球温暖化係数3、削減消費電力1kwh当り0.4kgのCO2削減と、地球温暖化への多大な貢献をうたえることは投資家に対するアピールポイントとなります。
代替フロン分子に比べ、重さが軽い自然冷媒は、小さな力で圧縮することが可能です。
「Refrigerants, Naturally!(「自然」冷媒でいこう!)」プロジェクト
2004年に「Refrigerants, Naturally!(「自然」冷媒でいこう!)」プロジェクトのメンバーは、国連環境計画、NGOグリーンピースとともに野心的なミッションを定めました。
そのゴールは、新たに設置される冷蔵冷凍機器に自然冷媒を使用し、技術的にも法的にも実現可能な形で統合していくというものです。
レッドブル、コカ・コーラ、ユニリーバ、ペプシコ、IKEA、マクドナルドといった主導メンバーはこのミッションを達成したと宣言し、2017年プロジェクトを終了しました。
2004年から2017年末まで の13年間に、725万台の自然冷媒を使った機器を世界中に設置することができました。
このように、先進国の大企業では、持続可能な冷蔵冷凍空調機器として自然冷媒を採用することは一般的になっており、日本国内と大きく事情が異なっています。
炭化水素を使用した冷凍空調機器の安全性についての研究
ドイツ連邦経済エネルギー省の「Proklima」プログラムでは、1996年のモントリオール議定書以降、自然冷媒による持続可能な冷凍空調機器についての研究がなされてきました。
そのうち、2008年のレポートでは、当社も採用している炭化水素を使用した冷凍空調機器の安全性についての論文が掲載されています。
そこでは、イギリスの可燃性の自然冷媒を使用した機器の出火リスクは、一般的な家電製品と同等であり、可燃性の冷媒(R600a)の導入後も出火リスクの増大は確認できないことを結 論づけています。
つまり、現在の欧州においては、可燃性の自然冷媒による機器は一般にも広く普及しており、適切な品質管理とメンテナンスが行われている限り、可燃性の自然冷媒のリスクは従来品と同等であるとの認識になっています。
引用文献:
Dr. Daniel Colbourne, Re-phridge,(2008). Safety of Appliances Using Hydrocarbon Refrigerants, ドイツ連邦経済エネルギー省「Proklima」レポート
※ : シミュレーション結果次第では、トライアル工事が行えない場合がございます。
2019年9月4日に国土交通省、経済産業省、環境省の認可を受け設立された
「フロン回収・破壊協同組合」に所属しています。
これは、技術レベルの保証と同時に当社のフロン回収・破壊事業の高い信頼性を裏付けます。
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